お客さまおひとりおひとりに、自分たちの信じるものを創り出し、しあわせをデザインしたい
矢崎和彦
株式会社フェリシモ 代表取締役社長

「最大級で最上級のしあわせ」を意味する社名「フェリシモ」

幅広い年代の女性を対象とした、衣類や生活雑貨などのダイレクトマーケティング事業を営む株式会社フェリシモ。その社名は「最大級で最上級のしあわせ」を意味し、経営理念は「しあわせ社会学の確立と実践」。事業活動を通じて、永続的発展的なしあわせ社会を創造すること。本社を構えるのは神戸。海と山の迫る自然豊かで文化的なこの地から、オリジナリティ溢れる商品やサービス、広く支持される社会的な取り組みが生み出され、同業他社とは一線を画す、個性ある事業展開を見せています。現在、売上約346億円、社員数870名(2016年2月期)。昨年創業50周年を迎えたフェリシモ。根底に流れているものは何なのでしょうか。

 

目指すのは「しあわせをデザインする会社」

経営理念に掲げる「永続的発展的なしあわせ社会を創造すること」。一見、壮大な理念と思われますが、至極あたりまえで本質的なことであり、それを理念に掲げるフェリシモに企業としての真摯さや品格を感じます。顧客に対して良い商品を提供する、より高次のサービスを提供するのみならず、社会に対してもっと価値のある役割を企業は果たし得るのだということを改めて認識させられます。

矢崎代表は、「『しあわせの本質』とは、人をしあわせにする、人としあわせになる。自然と、社会とともにしあわせになる。その経験価値だ」と言います。つまり、「ともにしあわせになる」ことこそがしあわせの本質だと。フェリシモの事業に関わる各ステークホルダー=顧客、ビジネスパートナー、社員、株主それぞれが互いに影響しあいながら主体的にしあわせの本質を追求していく、経験価値を高めていくことで「しあわせをデザイン」していく、事業を通じて実現していこうとしているのです。

 

「事業性、独創性、社会性」が重なり合う事業

矢崎代表は、事業承継して3代目にあたりますが、就任当初から事業領域を「事業性、独創性、社会性」としてきました。「事業性」、「社会性」に加えて、「独創性」も重視してきたのです。自らの頭で考え、唯一無二のものを求め創造していく、それがカタチになり、個々人の仕事のやりがいや生きる喜びにもつながり、そのことが企業を強くしていく「独創性」。3つの交わりを常に意識しながら商品やサービス、事業を生み出すことはたやすくありません。厳しい道を選び駆けつづけながらも、やさしく、さりげなく、かたちにしているフェリシモに、顧客は知らず知らずのうちに心惹かれるのかもしれません。

一例をあげると、毎月25本ずつ、20か月かけて集める「500色の色えんぴつ」や味噌づくりや梅酒づくり、コーヒーの焙煎などが自宅にいながらプロに学べる、キッド付き講座「素材の学校」。このようなユニークな商品企画力はフェリシモの最大の強みです。ときには顧客と共に開発していく商品・サービスも少なくありません。

 

社員の独創性をひきだすしくみ~自主的な部活動から生まれてきた「フェリシモ猫部」

矢崎代表は、社員の感性、自由な発想を大切にし、そこから生まれてくる商品やサービスを大切にしています。社員の業務時間内で活動ができる部活動のしくみをつくり、社員は好きなテーマで部を立ち上げ、セクションを超えて好きな部に参加できます。経営層の介入なく、テーマに対して、お客様や社会が何を求めているのかなどを話し合います。そこから、ユニークな商品やサービスが生まれてきており、今一番注目を集めているのが「フェリシモ猫部」です。商品開発・販売のみならず、「わんにゃん支援活動」と称して、動物との共生を進める啓発活動もすすめています。猫好きにはたまらなく、行き届いた活動になっています。

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社会の課題に積極的に関わる姿勢、そして、「続ける支援」。

フェリシモは、顧客とダイレクトにつながることのできる業態を活かしながら積極的に社会貢献事業も行っています。1995年、当時大阪にあった本社を神戸に移す計画だった1カ月前に阪神・淡路大震災が起きます。周囲の反対を押し切り、9月には被災して間もない神戸に本社を構え、復興に向けてともに歩んでいきます。「毎月100円義援金」という取り組みを掲げ、6年間で4億円もの義援金を集めました。9.11の米国同時多発テロでは寄付付きメッセージTシャツを企画販売し、累計17万枚を売り上げます。東日本大震災では「もっと、ずっと、きっと」と題された復興支援ポータルサイトを立ち上げ、義援金の呼びかけや、女性による産業復興を支援するプロジェクトを運営するなど、「続ける支援」を行っています。

無題

熊本地震でも、本業を生かした支援を準備中。被災地支援のみならず、環境保全、貧困国への支援、文化の継承、動物保護など、様々な社会的な課題への取り組みを続けています。

フェリシモCSRサイト

 

矢崎和彦(やざき・かずひこ) プロフィール

1955年大阪市生まれ。78年株式会社ハイセンス(現・株式会社フェリシモ)入社。87年代表取締役社長就任。阪神・淡路大震災のあった1995年の9月に大阪にあった本社を神戸に移す。神戸経済同友会代表幹事(2007年4月から2009年3月)。神戸市デザインアドバイザリーボード、神戸商工会議所デザイン都市推進委員会委員長、日本マーケティング学会理事。

 

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