社会をより良いものに変えていく手段の一つとしての印刷業
大川哲郎
株式会社大川印刷 代表取締役社長

「ソーシャルプリンティングカンパニー」

 

大川社長が6代目を務める、創業1881年(明治14年)創業の横浜にある印刷会社。同社のホームページを開くと、まず目に飛び込んでくるのは、ソリューションやサービス内容ではなく、「祝!地球温暖化防止活動 環境大臣表彰 受賞」。

左上にある社名の上のキャッチフレーズ「ソーシャルプリンティングカンパニー」として、環境に配慮した印刷を行うことはもとより、ユニバーサルデザインの思想に基づくデザインへのこだわりや、数々の社会貢献プロジェクトの実施、地域貢献など、様々な社会的活動に取り組んでいます(詳細は同社HP参照)。取引先は、WWFジャパン、国連WFP協会、パタゴニア日本支社など、企業姿勢に共感する企業・団体が名を連ねます。

 

13123333_458817787649482_6467807964957563275_oこうしたコンセプトで経営を行う背景に、同社が130年以上続く企業であることが大きく関係しています。大川社長は言います。「100年以上続いている理由は、その時その時で必要とされてきたから。これからも必要とされる企業であるために、印刷会社という、あらゆる業界に入り込んでいる業種の強みを活かし、多くの業界と接点を持ちながら多面的に社会課題解決に取り組み、人々の幸福を追求していく。我々のすべきことは、社会をより良いものに変えていく手段の一つとしての印刷業です。」

 

 130年以上続く会社を変革し続ける

 

とはいえ、こうした企業姿勢は、大川社長が6代目社長として就任した当初からあったものではありません。4代目である父親が急逝後、大川社長が他社での3年間の修業を経て入社した頃から今日に至るまで、少しずつ少しずつ創られてきたものです。入社当時25歳。大川印刷は、100年以上続く会社ならではの良い面がある一方で、秩序が乱れているなど、やはりこれも100年以上続く会社ならではの、悪しき慣習から抜け出せない状態にもありました。ひとりの若者が「変わろう」と声を上げても誰もついてきません。ついてこないどころか辞める社員もいました。そうした中で、「自分が変わらなければ周りは変わらない」と、まずは自分自身が当たり前のことを当たり前に行う「凡事徹底」を貫き、変わります。その姿を評価する人が社内に徐々に増え、「変化を創っていく」習慣が生まれ、現在の大川印刷の姿に至るのです。

 

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大川哲郎さんへのご質問

●ご自身の社会的な活動の“原点”となっている出来事など、エピソードなどを教えてください。

もともと環境問題に関心があったので環境経営へのシフトは1990年代後半からスタートしていました。これも一つの活動の原点ですが、2002年、横浜青年会議所で社会起業家の調査研究をした際、本業を通じて社会的課題解決をしていく起業家の方々と交流したことが、今の活動の原点といえます。中でも障がいの有無に関わらず、気安くファッショナブルな服作りを手掛けていたユニバーサルデザインの服飾デザイナー、井崎孝映(いざきゆきえ)さんとの出会いは、決定的なものになりました。

 

●ご自身や事業がSHIFTした(飛躍の)瞬間について教えてください。

シフト前、私にとっての仕事は「印刷の仕事をとってくること」でした。いわゆる手段の目的化が起きていました。しかし仕事で社会的課題解決をしていくことの素晴らしさに気づいたと同時に、仕事の目的は印刷の先にあり、その先の目的を達成するための手段の一つとして印刷があることに気づきました。そこからは「水を得た魚」のごとく、仕事が楽しくなり、今では趣味がCSRになりました。飛躍は一夜にしてできるものではありませんが、環境・ユニバーサルデザインへのシフト、そしてCSRへシフトし、5年10年と続けていった結果、様々な場面、社会に認知され認められるようになってきました。CSRは従業員さんが元気になる取り組みです。特に従業員さんが元気になったことが一番のメリットですが、CSR全般、インターンシップや環境に対する取り組みなど、全国的にも知名度が向上するに至りました。

 

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