子どもたちの笑顔が地域の元気をつくる釜石市「希望と笑顔のこすもす公園」プロジェクト

子どもたちの笑顔を取り戻したい。釜石市甲子町の「希望と笑顔のこすもす公園」は、その願いに共感した地域内外・国内外のボランティアと協働でつくっている公園です。日々、釜石市周辺の幼稚園・保育園児や地元の子どもを中心に多くの老若男女が訪れています。オープンから数年が経ち、継続的に運営していくための維持管理が課題です。その解決策としての新たな仕組みやアイデアを必要としています。

 

希望と笑顔あふれる手づくり公園が完成!DSC_0243

 

岩手県釜石市の甲子(かっし)地区に、色鮮やかな壁画を背景にした「希望と笑顔のこすもす公園」があります。東日本大震災後、市内の公園の多くに仮設住宅用地になりました。創作農家レストランこすもすを営む藤井了(さとる)さんとサエ子さんご夫妻は、そのような現状の中だからこそ子どもたちが笑顔で思いっきり遊べる場所が必要だと思い、地域内外・国内外のボランティアとともにつくったのが「こすもす公園」です。2012年6月のオープン以来、釜石ばかりでなく他地域からも、年間4万人もの人が訪れています。

 

IMG_2637藤井さんの敷地のうち、コスモス畑になっていた3,000平方メートルもの広大な休閑農地に公園をつくりました。「ピノキオすべり台」と名付けられた木製のすべり台、青・黄・赤・緑とカラフルにペイントされた石をつたって上る「クライミングウォール」、たくさんの竹を組み合わせてできた「竹の家」など、フィールドアスレチックを思わせるような楽しい遊具が10種類以上あります。

 

こうした遊具もすべて、ボランティアが汗を流して手づくりしました。ボランティアの中には、災害時などに建築技術を生かして人道支援を行う米国のNPO「アーキテクチャー・フォー・ヒューマニティ」を通して参加した外国人の姿も多くありました。

 

遊具のほか、ひときわ目を引くのが色鮮やかな壁画です。高さ8メートル、横43メートルもの大きな壁画の元になっているのは、公園に隣接する工場の外壁。子どもたちを元気にするような絵を描きたいと相談すると、工場の社長さんが快諾してくれました。タイ在住の画家・阿部恭子さんや、働く女性を応援する雑誌やウェブサイトを運営するアバンティ(本社・福岡)の全面的な協力もあり、2014年4月、「希望の壁画」という名の壁画が誕生し、公園のシンボルとなりました。

 

地域活性化のためにも公園を維持していきたい!IMG_2645

 

藤井さんご夫妻は、公園や隣接する「こすもす工房」で、ピザ焼きや押し花づくり、本の読み聞かせ、染物体験や農業体験など、折々にさまざまなイベントを開催しています。

 

家族そろって遊びに来る人もあれば、保育園の遠足やお年寄りの施設などの団体利用もあります。単なる子どもの遊び場としてだけでなく、世代を超えた交流の場にもなっているのです。併設されているレストランでは、季節の食材を活用した食事もいただけます。

 

いまも多くの人に愛されているこすもす公園ですが、オープンから4年、課題も見えてきました。広い公園の維持管理には相応のコストがかかりますが、人出も資金も決して潤沢ではありません。これまで民間の助成金を活用し運営してきましたが、昨年10月からはその助成金も無くなり、自力運営を余儀なくされています。草刈りといった日常的な作業に加え、安全性が求められる公園では遊具のメンテナンスや障害保険などにも資金が必要です。そうはいっても、自由に出入りできるのが公園の魅力。利用者に「入園料」を求めるようなことはしたくありません。藤井さんご夫妻は、新たな仕組みを模索しているところです。

 

「食」を通した地域づくりに挑戦中

IMG_2677

公園を活用した地域づくりのほかに、この地域の特産品「甲子柿」の6次産業化などの取り組みにも挑戦中です。甲子柿は小枝柿と呼ばれる渋柿の一種で、釜石市の主に甲子地区の特産です。密閉された柿室(かきむろ)に入れ、煙でいぶして渋を抜く独特の製法でつくられます。見た目はトマトと見紛うような鮮紅色。トロトロした食感はまるでゼリーのようです。

 

藤井さんのレストランでは、この甲子柿を用いたドレッシングを手づくりしてお客さんに喜ばれています。薫煙脱渋されたことで、甲子柿は一般的な柿より栄養価が高く、甘味も十分。砂糖や添加物は一切加えずにつくっているため、健康に気を配る方にも最適です。

 

昨年、甲子地区活性化協議会を創作農家こすもす内に立ち上げ、特産品であるこの甲子柿の生産拡大、加工品の開発、販路拡大のほか、甲子柿の里生産組合や釜石市等と連携し、甲子柿の地域ブランド化を目指す動きもあり、地域活性化の一助となるよう活動しています。

新着記事
SHIFTフェロー
SHIFTプロジェクト
SHIFTメディア
新着募集メニュー
行動する
実験する
体験する

PAGE TOP